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三条市2.0へ向けて【上田泰成副市長 講話】

イベント研修会・セミナー

ローカル思考×外部の視点

 三条市の上田泰成副市長は、6月27日に開かれた三条商工会議所通常議員総会で「三条市2.0へ向けて」と題して講話した。

就任2カ月間で感じとった三条市の印象を、職人気質、市の財政、食、インフラの4点に分けて紹介したほか、近い将来、

消費者、労働者として最大のグループとなるZ世代への対応などを説きながら、「三条市を視点としたローカル思考、

三条市ならではのデザインと外部の視点との掛け算で価値を創出していく。それを支えるのが三条市役所の役割」など

と述べた。

三条市の印象

 三条市の印象について上田副市長は、「私の故郷、大阪も東大阪など職人のまちがあるが、大阪と比べると三条の職人

は真面目で一点集中型。良いものを作り出してきたという誇り、ものづくりのアイデンティティがある」、「食のプレゼ

ンス(存在感)は抜群。三条ならば生活や自然体験を差別化の観点として、戦略を練ってはどうか」などと評した。

 財政、インフラについては「図書館複合施設や市立大学の建設などの大型建設事業により、財政力は他自治体より低い。

合併前から低かった税収を、人口減少の中でどう補うか」、「道路や施設の老朽化に加えて、若者、特にZ世代が魅力を

感じるようなキラーコンテンツになり得る施設が少なく、都市としての発展性は低い」と、三条市の抱える課題を端的に

指摘した。

付加価値向上、Z世代への対応を

 これらの印象や三条市の経済ビジョンを踏まえて上田副市長は、「三条市のものづくりは、歴史や伝統に裏付けられた

品質やストーリーを軸に、SDGs、脱炭素など社会的、世界的な流れを汲み入れ、デジタルも活用して効率化できるところ

は効率化する。ものづくりを中心とした付加価値、生産性向上、労働環境や賃金など人的資本への投資によるウェルビーイ

ングの好循環の実現こそが、経済ビジョンで描く『よくつくる、よくいきる』だ」と述べた。

 人的投資では、特にZ世代について、「マーケティングの対象としてだけでなく、雇用、人材面でも、Z世代と良好な関係

を築くことができない企業、組織は衰退する可能性がある」と警鐘を鳴らした。その上で「Z世代はインフルエンサーを中心

にコミュニティを形成しており、自身の居場所や存在価値を認め合う場所がデジタル空間内にあるため、可処分時間のほとん

どをインターネットに費やしている現状」であることや、環境問題や人種差別など社会問題への関心の高さ、就業先には職場

の清潔感を重要視する傾向があることなどを、データを基に解説していた。

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